オスグッド・シュラッター病になった方やご家族の方から「どんなストレッチが効果的ですか?」とご質問をいただくことがあります。この記事では、オスグッド・シュラッター病に効果的なストレッチ方法を25年以上の経験を持つ整体師が分かりやすくお答えします。
オスグッドに効果的なストレッチ方法
結論からお話しします。オスグッドに最も効果的なストレッチは、以下の大腿四頭筋(太ももの前側)を伸ばすストレッチです。
※ 伸ばす長さは、必ず患部に痛みが出ない程度までにしてください。
※ 上の画像は右膝のオスグッドの場合です。
オスグッドストレッチの順番
※ 右膝のオスグッドの場合
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1左足を前、右足を後ろにします。
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2身体を下げて行き、右太ももの前側の筋肉を伸ばします(上画像参照)
※ 右太ももの前側の筋肉を伸ばす長さは、右膝下の患部に痛みが無い程度までにしてください。
※ 筋肉が伸びてこない場合は左足をもっと前に出すか右足をもっと後ろにすることで脚の間を広くするとうまく伸びてくると思います。
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3その状態で10秒待ってゆっくりと楽な状態に戻します。
①~③を3度繰り返してそれを1セットとします。一日3~5セット行ってください。
何度か繰り返していると脚が前後により大きく開けるようになり、太ももの前側の筋肉も次第に伸びるようになってきます。
そうすると、今まで曲げて痛かった角度がより深く曲げないと痛く無くなってきますので、これを繰り返して最終的に痛みがなくなれば終了です。
痛みが少なくなってきたら、伸ばす時間を20秒にしましょう。
オスグッドだけではありませんが、キズの大きさや筋肉の疲労具合など、その子の状態によって回復するまでの期間が違いますので、焦らず丁寧にストレッチをしてオスグッドを予防・解消しましょう!
オスグッドストレッチのポイント
姿勢を真っ直ぐにしましょう。
身体が前に倒れたり後ろに反ったりするとストレッチをしてもうまく伸びてくれないことがあります。
左膝が左爪先を超えないようにしましょう。
膝が爪先を超えてしまうと膝に負担がかかってしまいます。
右膝は床につけてもつけなくてもOK。
膝の状態によって違いますので、右膝を床につけた方が楽かどうか、右太ももの前側が良く伸びるかどうかで判断してください。また、床が硬いと膝が痛くなることがありますので、床にクッションを敷いて行うと良いです。
右爪先は曲げても良いですし、伸ばしても良いです。
これも動きや姿勢が楽かどうか、右太ももの前側が良く伸びるかどうかで判断してください。
身体を安定させると効果的。
左右に手摺りや椅子テーブルなど掴める場所がありましたら掴んで身体を安定させると、余計な力が入らずストレッチ効果が高まります。
運動前には行わないようにしましょう。
このストレッチは、スタティックストレッチ(静的ストレッチ)に属し、回復させるにはとても良いストレッチ方法ですが、運動前に行うと、身体が休む状態になってしまいパフォーマンスが落ちることがありますので注意しましょう。
パフォーマンスを上げたい場合はダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)になりますが、オスグッドの場合は膝の状態によっては悪化することがありますので、現在の膝の状態をよく把握し、専門家の指示に従うようにしましょう。
オスグッドストレッチで絶対にしてはいけないこと!
上画像のところにも書きましたが、患部(膝下)に痛みが出るストレッチは絶対にダメです!
なぜなら、オスグッドは膝下にある膝蓋腱を引っ張り過ぎて損傷しているものですので、ストレッチで引っ張り過ぎてしまうと損傷している傷口が広がって悪化してしまうからです。
その他の効果的なストレッチ
上記の他にも、身体は繋がっていますので、あちこちを伸ばすとより効果が高くなりますが、その中でしていただきたいのがハムストリングスのストレッチになります。
本来伸ばしたい太ももの前側の逆側ですので、必要ないように思えるかもしれませんが、人間は左右前後とバランスをとって生きていますので、太ももの裏側にあるハムストリングスを伸ばしてあげると、太ももの前側にある大腿四頭筋が伸びやすくなるのでオススメです。
軽いストレッチも痛くて出来ない場合
上記のようなストレッチを軽くするだけでも痛くて出来ない場合というのは、重症ではないがストレッチは痛くて出来ない場合と、重症で歩いたり膝を軽く曲げるだけでも痛いがあります。
重症ではないが、ストレッチは痛い場合
この場合いくつも方法はありますが、自分の手で大腿四頭筋を伸ばす自己療法の一例をご紹介します。
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1患部の太もも前側の皮膚を横にスライドさせるように伸ばします。
横へのスライドは内方向と外方向どちらも行ってください。スライドした時に痛みが出るならその手前までにします。力を入れてギューッとするのではなく、軽く皮膚を伸ばしていく感じです。
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21分待ってからゆっくり元に戻します。
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3患部の太もも前側の付け根・中央・膝上の3ヶ所を行います。
一日に3~5回ほど行います。次第に膝が曲げられるようになってきたら今度はストレッチも行うようにしましょう。
重症の場合
重症の場合は、運動を続けていると悪化してしまいますので一時的に運動を休む必要があります。また、ストレッチをすると余計に悪化してしまいますので、オスグッドの専門家に頼むことをお勧めします。
自己療法だけでは絶対に無理とは言いませんが、そこまで痛くなっている場合、その子に合わせたオスグッド用の自己療法を経験のない素人の方がするのはなかなかに大変です。どうしても自分で回復させたいという方は個別指導を行いますのでご連絡いただけましたらと思います。
まとめ
本記事ではオスグッド・シュラッター病に効果的なストレッチ方法をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
このストレッチさえやればどんなオスグッドも一撃!というストレッチは残念ながらありませんが、本記事のストレッチはオスグッドにとても有効です。
また、オスグッドの子はオスグッドになる前から筋肉が硬い子が多いので、オスグッドでなくてもストレッチをすることで予防になりますし、成長してからも膝痛になりにくい体を作ることができるため、ずっと続けていく価値のあるものです。
この機にご家族皆さんでストレッチをして健康な毎日を作りましょう。
本記事をご覧くださり心から感謝いたします。この記事が少しでも皆様のお役に立てましたら幸いです。ありがとうございました。
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